石川幹人ゼミナール「夢」グループ

明治大学情報コミュニケーション学部 2015年度 石川幹人ゼミナール 「夢」グループです。

3-2.パリ同時多発テロ発生前

この章ではパリ同時多発テロが起きる前の1週間である2015年11月6日~11月12日に、twitterに投稿された日本人のテロに関する夢について収拾し、データに基づいて分析した結果を記す。

 

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上記のグラフの通り、パリ同時多発テロが起きる1週間前でさえも、日常的に何人かはテロの夢を見ていることが分かった。多い日で1日に9件、少ない日でも1日に2件というデータを得られた。

 

全40件のデータを分析した結果、テロの夢を見ている人の大半が「テロに巻き込まれる、テロから逃げる」など、テロの被害を受ける夢を見ていたことが分かった。

一方で被害者ではなく、テロを起こす夢を見ている人も40件中4人ではあるが、存在している。またテロの被害から人々や街を守る立場として夢を見る人もおり、「テロの夢」といっても人によって内容が異なることが興味深かった。

 

夢に現れるテロの内容は様々であったが、多くの方は「テロが起きた」との抽象的なpostであった。しかし詳しく夢の内容を記載している方のpostを分析した結果、爆発物のテロが10件と最も多く、拳銃や包丁などの武装をした人に襲われるテロ、化学兵器生物兵器を用いたテロの順に続いた。人々がテロというものに抱いているイメージが現れた結果となったと言えるだろう。

また中には地震が起きる、地震を起こすテロという内容の夢を見ている方が3人おり、地震大国の日本ならではの結果になったのではないかと考えられる。

 

続いて夢の中でテロが起きた場所について分析する。

結果として自宅、地元、地元の施設(駅、建物など)といった、夢を見ている方の身近な存在である場所でテロが起きていることが最も多い結果となった。

他にも日本の政党の本部、国民的テーマパーク、外国のホテル、ブラジルなどの具体的な場所でテロが起きている夢を見ている方もいた。

 

最後に夢の中に出てくる登場人物について分析した。

場所と同様で、夢を見ている人物の身近な存在である会社の上司、同僚や知人といった人達が中心であった。

中にはご高齢の女性や子供といった全く見知らぬ存在、アニメ作品に登場するキャラクター、ロシアの大統領といった知人ではないがメディアを通して身近な存在が登場するケースもあった。

 

以上のようにパリ同時多発テロが起きる前にも関わらず、テロの夢を見る人が存在していることが分かり、日本人にとってテロとは常に脳裏の片隅にある事象ではないかと読み取ることができるであろう。

またパリ同時多発テロを事前に予想するようないわゆる予知夢を見ている方が存在するか注目したが、そのようなpostは見られなかった。しかし「東京で起きたテロからフランスに逃げる夢」を見ている方が1人おり、予知していたのか、偶然かは定かではないが非常に興味深い結果となった。