石川幹人ゼミナール「夢」グループ

明治大学情報コミュニケーション学部 2015年度 石川幹人ゼミナール 「夢」グループです。

5-5.東日本大震災 まとめ

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まず始めに、3月1日~3月8日に関しては、2月2日にニュージーランドマグニチュード6.1の地震が発生しており、それに関連するツイートが多く見られた。地震は世界中で発生しているため、15件あたりが地震が夢に与える平均的な影響であると推測する。

また、ニュージーランド地震が起こる前には、海辺にイルカがたくさん打ち上げられており、3月6日に茨城でも同様の現象が起きたことで「地震の前兆では!?」とネット上で話題になった。しかしながら、実際には1年に数回起こり得る現象であり、過剰に反応したものと考えられる。それでも、ネットの情報によって敏感になった人々が「地震が起きるのでは」と普段以上の地震に関する夢報告を行っていた。

 

次に、3月9日~10日に関して、3月9日午前11:56頃に三陸沖でマグニチュード7.2を記録し、それに不安を覚えた多くの人々が自身の地震に関する夢報告を行っていた。その後も小さな揺れを繰り返すのだが、安心したのか翌日には前日の3分の1程度であった。

 

そして、3月11日に日本周辺において観測史上最大の地震、世界で見ても史上5番目のマグニチュード9.0を誇る、東北地方太平洋沖地震が発生。非常に多くの人々がこの大災害に反応を示し、「地震に関するこんな夢を見た」と報告していた。

 

最後に、3月12日~14日に関して、未曽有の大災害から一夜、「あれは夢じゃなかった現実だった。」と悲しむツイートが多数見受けられた。その恐怖心や不安からか多くの地震に関する夢報告がなされていた。

 

 

全体として、具体性を持った夢報告は多様性に満ち溢れており、その内容が被るものはほとんどなかったように思う。

震災後には、未曽有の大震災から多くの人たちが、恐怖心や不安にさいなまれていたのであろう。地震の夢に関しての九割はネガティブなモノであった。時折、ポジティブな夢を見るものもあったが、この夢で現実がより良くなりますようにと願い、本心は不安であるように感じた。

中でも、緊急地震速報地震に関するニュースに敏感になっている人が多く、夢の中にまで出てきたという人が非常に多かった。

次いで、自分は地震が来る前に予知しやすい体質であり、「家族や友人の安否を確認した」「あの日見た夢はこれに対するお告げだったのかもしれない」というものが多かったように思う。

若干重なっていたのが、「宇宙人が襲来する」や「狂人やゾンビに襲われる」という夢。どうしようもなく地震で崩壊した世界と対処しにくい相手との接触を結び付ける人が多いようだった。

また、“地震 夢”というワードで検索した結果、最も多かったのが「目が覚めたらこの地震が、実は夢でありますように」ということだった。これは、求めている回答と食い違っていたので、カウントには入れなかったが、三分の一か半分以上を占めていた。

地震 夢”と検索を絞ったからか、津波に関する夢は多かったものの、原発放射能に関するツイートはあまり見受けられなかった。やはり、日本の情報統制によって、あまり放射線の流出が話題にされず、不安にすら思っていなかったのではないかと推測される

 

以上の結果から、人は現状で不安に思っていることの中から、自分の持っている情報と結び付けて、あらゆる可能性や願望が夢に反映されているのではないだろうか。大多数が「地震の夢を見た」という簡潔な報告であったが、具体性を持って報告した夢に関しては、重なるものが少なく、その人の生き様や人間性が垣間見えた。

 

                               〉〉5-6.おまけ